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ツアーするロッカーを描いた、ジャクソン.ブラウン/孤独なランナー

ジャクソン.ブラウン 孤独なランナー

ウエストコーストの代表選手とも呼べるジャクソン.ブラウンが、名作「レイト.フォー.ザ.スカイ」「プリテンダー」に続き1977年に発表した変則形式によるライブアルバムが本作「孤独なランナー」です。


何が変則的かと言いますと、すべてが新録曲による構成でしかも通常ステージでの演奏を収録したもの以外にも、移動中のバスの中や、ホテルの一室などで録音された楽曲も含まれている、いわゆる"ツアーに明け暮れる旅するミュージシャン"を描いたドキュメント形式のトータルコンセプトアルバム的意味合いを持つ作品に仕上がっています。


シンガーソングライターとして名を馳せたジャクソン.ブラウンですが、本作では珍しく他人の楽曲を積極的に取り入れているのが特徴で、ダニー.オキーフの"The Road"、ダニー.コーチマー作による"Shaky Town"、ローウェル.ジョージとヴァレリー.カーターとの共作"Love Needs A Heart"など、親交の深い所縁のあるアーティスト達の楽曲を多数プレイしています。


もちろんオリジナル曲であるタイトルチューンの"孤独なランナー"は、疾走感溢れる感動的なナンバーで、ウエストコーストロックの名曲中の名曲として語り継がれている、ジャクソン.ブラウンの代名詞のような一曲と言えます。


アルバム全体の統一感もすばらしく、オープニングの"Running On~"→"The Road"→"Rosie"と流れるように続く導入部と、ラストの"The Load-Out"からモーリス.ウィリアムス&ゾディアクスのカヴァー曲"Stay"へとなだれ込む、ライブの臨場感がもうたまりません! この部分だけ何度聴いたことでしょう?


バックメンバーは、Danny Kortchmar(G),Russ Kunkel(Ds),Leland Sklar(Bs),Craig Doerge(Key),Doug Haywood&Rosemary Butler(Backing Vo)そしてデビッド"化けもの"リンドレーのフィドルとラップスティールギターが加わった、まさに黄金期のメンバーによる作品です。


〈アーティスト〉JACKSON BROWNE / ジャクソン.ブラウン

〈アルバム.タイトル〉RUNNING ON EMPTY / 孤独なランナー

〈リリース/レーベル〉1977/ASYLUM