ツインドラム&トリプルギターの醍醐味!ドゥービー.ブラザーズ/スタンピード
プロデューサーであるテッド.テンプルマンが、ドゥービー.プラザーズ一番の魅力である"バンドとしてのパワーとノリ"を最大限に引き出すことに成功したのが、通算5作目となる1975年発表のミリオンセラーアルバム「スタンピード」です。
本作よりジェフ.バクスター(G)と、キース.ヌードセン(Ds)を新メンバーに加え、強固たるツインドラム&トリプルギターの布陣を確立、より重厚さを増した圧倒的スケールを誇る前期ドゥービーサウンドの総決算とも呼べる大傑作アルバムを完成させました。
さらに今までのドゥービーには無かった凝ったアレンジと様々なアイデアを施し、それぞれの楽曲により彩りを与え、バラエティ豊かな作風に仕上げた点にも注目していただきたい1枚です。
前期ドゥービーブラザーズの実質的リーダーであったトム.ジョンストンの趣向であるR&B的ノリを感じさせてくれるブルージーなギターとハイテンションなヴォーカルが文句なしカッコイイ、"Take Me In Your Arms"に"Music Man"
これぞドゥービー節、息の合ったハーモニーが素晴しすぎる"Sweet Maxine"バンドの2枚看板のもう一方、パット.シモンズの柔軟性が顕著に現れている何やら壮大なプログレっぽい盛り上がりをみせる"I Cheat The Hangman"に、アコギ2本による美しいインスト小品作"Slat Key Soquel Rag"(実は個人的には、この曲が一番好きだったりします...)
そして極めつけが、ツインドラム&トリプルギターの臨場感がもっとも伝わってくる"Neal's Fandango"における気分MAXな躍動感はもう何?...って感じ!あぁ、ダメ倒れそう~!
そしてさらにモノ凄いのが、トリプルギター+ライ.クーダーのボトルネックギターまでが参戦した"Rainy Day Crossroad Blues"...泥臭いアコースティックブルースでグイグイと聴き手をたぐり寄せておいて一転、いきなり西部劇のエンディングを想わせるようなストリングス入りの感動的サウンドへと変調し、ドラマティックな曲展開をみせるところはもう涙モンです!
その後ドゥービー.ブラザーズは、トム.ジョンストンの体調不良による離脱が原因でバンドにとっての転換期を迎え、トムの穴埋めで加入したマイケル.マクドナルドが次第にイニシャティブを握り始め、都会的に洗練されたサウンドスタイルのバンドへと変化を遂げていくこととなります。
うーん、もちろん後期のドゥービーもそれなりに聴いてはおりましたが、やっぱり私にとってのドゥービーブラザーズは、この「スタンピード」までかなぁ...。毎度ギターのリフがワンパターンだ何だと言われても、トム.ジョンストンはサイコー、永久不滅の存在です!