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ロック史に残る世界遺産、クリムゾン.キングの宮殿

KING CRIMSON / キング.クリムゾン  クリムゾン.キングの宮殿

それにしても、いつ見ても強烈なジャケットです(笑)久々にレコード棚から引っぱり出してきて、暫し数秒間マジマジと見つめてしまいました!よくスゴイ表情(ひどい顔)をしている人に向かって、「何お前、クリムゾンキングの宮殿みたいな顔(ツラ)してんだよ~!」


などと例えて言う場合がありますが、それだけこのジャケットに関しては、まったくロックに興味のない一般の人でも、インパクト絶大なジャケットだけは知っているというくらいに有名なものです。


さて、肝心の内容の方ですが、こちらの方もかなり衝撃的! それまでのロックの既製概念を根底から揺るがすほどの斬新なコンセプトとアイデアに満ち溢れた、後のプログレッシヴロックサウンドを確立するにおいて、もっとも重要な1枚と呼べる、まさに"ロック史に残る世界遺産級のアルバム"です。


本作のバンドパーソネルはリーダーのRobert Fripp(G)を中心に、このあとEL&Pで大活躍をするGreg Lake (Bs,Vo)、そしてIan McDonald(Key,etc)、Michael Giles (Ds,Per)さらに作詞とステージ照明を担当する影のメンバーPeter Sinfieldという布陣。


グレッグ.レイクの憂いを帯びたヴォーカルに、メロトロンを多様したロック、ジャズ、クラシック、トラッドミュージックなど、あらゆる音楽の要素を融合し、まったく新しい音空間を構築させた驚異のサウンドは、発表から40年以上たった今聴いてもまったく色褪せることはありません。


冒頭を飾るクリムゾンの代表曲"21st Century Schizoid Man"(当時の邦題;21世紀の精神異常者)でのフリージャズ風インプロビゼーションによる、狂人的演奏っぷりを最初に聴いた時の驚きは恐らく一生忘れないでしょう。


普通の高校2年生の耳には、あまりにショッキングすぎました!!ある意味、自分の中でのプログレに対する「重い、暗い、曲が長い」というイメージを植え付けるきっかけとなった1枚かもしれません。


ちなみに現在"21世紀~"の邦題は、"精神異常者"という言葉がモラルに反するためか"21世紀のスキゾイドマン"というタイトルに改題されております。


なおまったくの余談で自分の経験からの助言になりますが、精神状態が鬱な時にこのアルバムを聴くと余計に落ち込んでしまうので、そのような場合は決して聴かないようにしましょう。


中でも、3曲目に収録されている"エピタフ(墓碑名)"は、絶対にヤバいです!「混乱こそ我が墓碑名」というフレーズ...受験に失敗したあとにこれ聴いて、危うく命断とうかと思ったくらい変になってしまった19歳の春......以下省略。

〈アーティスト〉KING CRIMSON / キング.クリムゾン

〈アルバム.タイトル〉
In The Court Of The Crimson King /クリムゾン.キングの宮殿

〈リリース/レーベル〉1969/E.G