クイーンの初期作品は、とにかくブリティッシュロック特有の様式美を徹底的に追求したサウンド作りが特徴で、「美形ビジュアルロックバンド」の先駆け的存在のようなルックスとの相乗効果によって、より一層注目を浴びる事となりました。
ファーストアルバム「Queen(邦題;戦慄の王女)」において既にオリジナリティーに満ちた独自のクイーンサウンドを確立させ、翌1974年に発表された本作「クイーンII」では、後々バンドのイメージカラーとして定着していく「白と黒」の対比をテーマにしたクイーン流のコンセプトアルバムとして制作されました。
当時のアナログレコードのA面は、Bryan May(G,Vo)の作品を中心に収めたホワイト.サイド(白の啓示)、一方B面は、Freddie Mercury(Vo,Piano)の作品で統一されたブラック.サイド(黒の啓示)と色分けされており、
静寂と重厚さを表現したブライアン.メイのギターが縦横無尽に飛び交う、ゴシック調の様式美サウンドが魅力のホワイトサイド、フレディー.マーキュリーの4オクターブ出ると言われた圧倒的ヴォーカルをメインに、
ドラマチックかつバラエティーに富んだエンターテイメント性を全面に押し出したブラックサイドと、複雑な構成の曲展開の中にもしっかりとバンドの方向性を明確に現した、2作目にして実に完成度の高さを誇るアルバムです。
本作からはアルバムのラストを飾る"The Seven Seas Of Rhye"(輝ける7つの海)がイギリスでヒットを記録。ゴージャスかつスリリングな初期の代表曲で、3分弱の短いタイムの中に"クイーンらしさ"が最大限に凝縮された超名曲です。
〈アーティスト〉QUEEN / クイーン
〈アルバム.タイトル〉QUEEN II /クイーンII (ホワイト.クイーンとブラック.クイーンの啓示)
〈リリース/レーベル〉1974/ELEKTRA