イギリス、ウェールズ出身の4人組バッドフィンガーのファーストアルバム。元々はリーダーであるピート.ハムを中心に結成されたアイヴィーズというグループが母体であり、1968年ビートルズが設立したアップル.レーベルとの契約を機にバンド名を「BADFINGER」と改名、
当時ポール.マッカートニーが引き受けていた名優ピーター.セラーズとリンゴ.スターによる共演映画、「マジック.クリスチャン」の音楽制作をそのままスライドしてバッドフィンガーが手掛けることになり、一躍注目を集めるきっかけとなりました。
さすが、ビートルズの弟分と呼ばれるだけあり、絶大なバックアップがあったわけですが、この中から「マジック.クリスチャン」のテーマソングとして、ポール作による名曲"Come And Get It"が世界的な大ヒットとなり、全米ビルボード、シングルチャート最高位7位、全英でも最高位4位を記録しました。
いかにもポール.マッカートニーらしさが伝わってくる明るいポップナンバーですが、ポール一人だけですべての楽器を演奏したマルチレコーディングによるデモ.ヴァージョンは、1996年に発売されたビートルズの未発表音源集「ザ.ビートルズ.アンソロジー第3集」で聴くことができます。
それ以外の楽曲は、メンバーのPete Ham(G,Vo)Tom Evans(Bs,Vo)のペンによるナンバーをメインに収録されており、なんとも切ないメロディーラインが素敵なアイヴィーズ時代の曲"Dear Angie""Maybe Tomorrow"や、パワー系ギターポップの原点を感じさせる"Midnight Sun""Rock Of All Ages"など粒ぞろいのナンバーが並んでいます。
私自身もっともアナログレコード収集に時間と手間を費やしていた1980年代、アップル時代のバッドフィンガー作品はすべて廃盤状態でしたので、めったにお目にかかることが出来ない"幻のレコード"でした。
たまに見つけても、超高値のレアアイテムでしたので、いつも中古レコード店の壁に飾ってあったものを恨めしそうに眺めていたのも、今となっては良い思い出です。
ちなみに今手元にある本作は、帯び無しですが一応アップル国内盤、知り合いと
トレード交渉をし、運良く譲ってもらったものです。超ラッキー!!
〈アーティスト〉BADFINGER / バッドフィンガー
〈アルバム.タイトル〉
MAGIC CHRISTIAN MUSIC / マジック.クリスチャン.ミュージック
〈リリース/レーベル〉1970/APPLE