70年代後半、エレクトロポップの流行を発展させ、よりポップに解釈することにより生れたテクノポップの名曲がこの「ラジオ.スターの悲劇」です。
かつてはメディアの中心であったラジオが、映像の出現によってその役目を譲ってしまったという、時代の流れによる悲哀や思いを懐かしみ、ノスタルジックなメロディーにのせて歌われたナンバーで、1979年の秋全英で1位のビッグヒット、続いて全米でもビルボード最高位40位のスマッシュヒットを記録したシングル盤です。
バグルズのメンバーは、のちにZTTレコードを立ち上げ80年代のミュージックシーンに一大旋風を巻き起こし、時代の先端をいくサウンドが話題となりプロデューサーとして有名となるトレヴァー.ホーンと、プログレッシブロック出身の名だたるメンバー達と結成したバンド、
ASIA(エイジア)のキーボードプレーヤーとして成功を納めることとなるジェフ.ダウンズの2人組で、この「ラジオ.スターの悲劇」は、彼らにとってその後のステップアップとなる貴重なヒット曲となったと言えるでしょう。
翌年1980年には当時空中分解状態であったYESにバグルズの2人が加入し、アルバム「ドラマ」を発表、周囲を驚かす移籍がありましたが、その中で披露されているトレヴァーのヴォーカルが、YESの顔でもあった前任ヴォーカリストジョン.アンダーソンにそっくりということで、かなり話題となりました。
ちなみにこの「ラジオ.スターの悲劇」のビデオクリップは、その歌詞の内容から1981年にスタートしたMTV(ミュージック.テレビジョン)の第1回放映において最初にオンエアーされたナンバーになるという、現在では語り草となっている有名な逸話が残っております。
〈アーティスト〉BUGGLES / バグルズ
〈タイトル〉VIDEO KILLED THE RADIO STAR / ラジオ.スターの悲劇
〈リリース/レーベル〉1979/ISLAND