アトピー性皮膚炎・かゆみ、湿疹を抑えるスキンケア
アトピー性皮膚炎の特徴として、いちばんに上げられるのが、外部からの刺激により起こる湿疹、かゆみです。この湿疹、かゆみの原因は、バリヤー機能の低下、すなわち皮膚の角質層での水分を補う機能が、著しく低いために起きます。
そのため、アトピー性皮膚炎を発症している人は、普通の人以上に肌の手入れが必要で、湿疹、かゆみ、皮膚の悪化炎症を押さえるためには、毎日「皮膚を清潔にする」「乾燥肌にならないようにする」の2点に注意をし、スキンケアを心掛けることが大切だと言えます。
まず、スキンケアの基本として大事なのは、入浴です。入浴により皮膚の汚れなどを落とし、常に清潔を保つことが重要です。ただし入浴の際、刺激の強い石鹸を使用し、皮膚をゴシゴシ擦るなどの行為は絶対に行なわないようにしましょう。それが原因で逆に皮膚を傷めてしまうからです。
入浴時の注意点として、熱い温度でのお風呂は絶対に厳禁です。なぜなら熱すぎると、かゆみがさらに増してしまう危険があるからです。入浴の適温は37℃から38℃くらいのややぬるめのお湯で、ゆっくりと30分くらいかけながら、リラックスして入ることをおすすめします。
その次は、入浴後の肌の手入れです。アトピー性皮膚炎にかかっている患者さんの皮膚は、入浴後一気に水分が失われていき肌の乾燥が始まります。そのままのカサカサ肌状態にしておくと皮膚の炎症を起こすきっかけとなってしまうので、いち早く軟膏、クリーム、オイルなどの保湿薬を塗布することが必要です。
それ以外にも、普段身に着ける衣類が皮膚に悪い影響を与えることもあります。肌に直接触れてしまうようなベルトなどの金属部分、首回りを圧迫する化学繊維のハイネックセーター、などは皮膚に炎症を起こす恐れがあるので、避けた方がいいでしょう。
また生活環境においても、かゆみ増大防止の目的で、部屋の温度は高温に設定しないようにする、かゆみから皮膚をひっかき傷口から菌類の侵入を起こさないために、常日頃から爪は短く切るようにする、などの心得も必要です。