ある程度、一人で仕事がこなせるようになったスタッフには、次のステップとして、後輩スタッフの指導をさせてみましょう。リーダーから見れば、まだまだかもしれません。
しかし、さらに下に人をつけることによって、自覚や責任感が強化され、飛躍的に成長するケースもあります。立場が人を変えることもあるのです。
一人っ子のときは「もう大きいんだから」と言われても甘えん坊だったのが、妹や弟ができると、急に長男・長女らしく振る舞えるようになるのと同じです。
後輩がつくことによって、自分が鏡に映し出され、仕事を客観的に把握できたり、人に教えることを通して理解が深まったりすることは少なくありません。
上司の立場を理解し、仕事に対する欲も出てくるなど、成長を早める起爆剤になることもあります。上司から見れば、スタッフが伸びないで壁にぶちあたっているように見えることがあります。
そこをクリアしないと次のステップに進ませないという面も確かにあるのですが、アシスタントをつけたり、新人の教育係をまかせたりすると、逆にスランプから脱出して、人を指導する面では新しい能力を発揮する場合も見てきました。
飲食業界では、比較的若い時期に店長やフロアマネジャーになるケースが少なくありません。スタッフ時代にはあまり目立たなかった人が、店長になった途端、頭角を現してメキメキと売上を伸ばし、自分なりの夢に向かって努力し始める場合も身近にあります。
ポジションによって求められる能力が違いますから、本人の資質とやる気、仕事のやりがいがマッチするとすごく伸びるものです。
もちろん、人をつけるだけでは成長できません。なにを勘違いしたのか、下にまかせっぱなしで自分が遊んでいるスタッフもときにはいます。
自分がやるべき仕事を下に振る仕事を見極める。先輩として十分な働きができているか、リーダーがチェックして、指導してください。・・・ここから先は「はじめてリーダーになる人の教科書」をお読みください。
おすすめ度☆☆☆☆
後輩を指導するようになると仕事に対する姿勢が変わってくることはよくあります。後輩に偉そうなことを言った手前、やるべきことをやらないと示しがつかなくなるからです。
後輩を指導することで、これまで自分が取り組んできた仕事を振り返り、できていること、できていないことが明確になります。先送りしていた問題も、解決しなければ!と前向きな気持ちになります。
今回のおすすめ本「はじめてリーダーになる人の教科書」では、タイトルの通り初めてリーダーになった人が直面するトラブルや悩みを紹介しながら、著者の経験に基づいた解決策をアドバイスしています。
「リーダーとしての心がまえ」「スタッフや取引先とのコミュニケーション」「チームワークの育て方」「まわりのやる気を引き出す」「効率的な会議と打ち合わせ」「トラブルはこう解決する」「夢を共有する」「まかせて伸ばす」8項目78のポイントを解説しています。
個人的に「リーダーとしての心がまえ」と「トラブルはこう解決する」は参考になりました。
最初にめざすべき目標をはっきりさせる
ありがとうを言うシーンでは、いいと感じた点を具体的に伝える
聞き上手でなければ、話し上手にもなれない
年上のスタッフの経験に耳を傾けてみる
マイナスの感情は口に出さない
まかせたら余計な口は出さずにじっと待つ
後輩を指導することになった
プロジェクトのリーダーになった
職場のコミュニケーション力をあげたい
部下が期待どおりの成果を出してくれない
指示を受ける側から指示をする側になった
指示の出し方がわからない
仕事のトラブルを抱えている
書籍タイトル:はじめてリーダーになる人の教科書
定価:1300円