てきぱきしたお母さんは子どもの要領が悪くのんびりとしている様子をみて、「なぜ、こんなにモタモタしているのかしら?」「きょうだいでどうしてこんなに違うのかしら?」と感じ、イライラすることがあるのではないでしょうか。
そして、つい、「どうしてはやくできないの?」「どうしてそんなにおそいの!」「いいかげんにしなさい!」と言ってしまいます。
きょうだい間での比較の場合、子どもへのさまざまな影響が考えられます。たとえば、比較されて叱られることが多い子は自己評価が低くなってしまうため、ストレスから心身症になってしまう場合などがあります。
逆に、比較されてほめられるなど優位に立っている子の場合は、さらに親の期待する「よい子」になろうと親の前では「よい子」を演じ、親がみていないときにきょうだいに意地悪をしたり、自分が不利になるときょうだいのせいにするなど、いろいろな影響が出ることがあります。
親は、つい、他の子どもやきょうだいと比較してしまいがちですが、その「つい」という安易な比較が、子どもの心をひどく傷つけてしまっていることが多くあります。また「つい」というよりも、カッとなって言ってしまったりすることもあると思います。
でも、受けとめる子どもたちの側に立ってみると、受け止め方にも子どもそれぞれに温度差があることを理解しておいてほしいのです。
それは、きょうだいに同じことを言っても、一人はあまり気にしないタイプかもしれませんが、もう一人はひどく気にしてしまうということもあるからです。比較は。子どもによい影響を与えないことが多いということはおわかりいただけたかと思います。
他の子どもやきょうだいと比較して「おそい」「できない」と感じたときには、親として不安やあせりを感じることがあると思いますが、比較することを「意識して振り切る」ことで、不安やあせりを感じることも少なくなっていきます。
子どもは、一直線に発達していくのではなく、「できた」と思ったら「できない」ときがあるなど、右にゆれたり、左にゆれたりしながら発達していきます。
「つい」くらべることをできるだけなくすことで、子どもの伸び方は変わってきますし、親のイライラも減っていきます・・・ここから先は「子どものおそい・できないにイライラしなくなる本」をお読みください。
おすすめ度☆☆☆☆
子どものころ親に言われた何気ない一言が大人になってもずっと心に残ってしまっている!そんな人は多いのではないでしょうか。
子どもができたら、絶対にそんなことはしないと思っていた自分も、実際に親になってしまうと、同じようなことをしていることに気づき「はっ」としてしまいます。
他の子と比べてはいけない!と思って言動に注意している親御さんも、きょうだい間ではつい比べてしまうそんなケースは少なくありません。
他の子と比べられるより、むしろきょうだい間で比べられるほうが子どもにとっては「きつい」のかもしれません。
この「子どものおそい・できないにイライラしなくなる本」では多くの事例を紹介しながら、それに対する対処法をアドバイスしています。
この本を読むことで普段の自分の言動を振り返る良いきっかけになると思います。「親になって親の気持ちがわかるようになった反面、子どもの気持ちを忘れがちになっていないでしょうか」という言葉が印象に残りました。
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書籍タイトル:子どものおそい・できないにイライラしなくなる本
定価:1,200円