白内障の予防と初期治療
かなり以前は、白内障によって失明する人の割合が高く、非常に恐い病気と思われていました。しかし、近年では白内障治療の技術が進み、きちんと治療に向き合えさえすれば、決して恐い病気ではなくなってきました。
しかし、だからといって甘くみていては駄目です。少しでも視力や、ものの見え方に違和感を感じたら、すぐにでも眼科で診察を受けることをおすすめします。またその時は異常がなくても、半年に1回くらいは定期検診に行くのが予防としては最適の手段です。
眼科では主に、近視や遠視、そして乱視などがないかの視力検査や、現在使用しているメガネが合っているかを調べる矯正視力の検査などを行ない、矯正時の視力にズレなどが生じていたら、その原因が白内障なのか?
もしくは網膜や視神経などに起こる他の病気なのか? をつきとめるため、さらに眼底検査を行ないます。場合によっては、白内障と他の病気を同時に発症している事もありえるので、その時は、今後の治療プランを立てるため眼科医に相談、アドバイスを受ける事がとても大切です。
白内障は、ゆるやかに進行していく病気であるため、特別にあわてて緊急手術などを受ける必要はまったくありません。ですが、一度濁ってしまった水晶体は元のクリアーな状態に戻す事は出来ないので、とりあえずの処置法としては目薬による点眼薬治療が、もっとも適切な初期段階での治療法と言えます。
しかし、あくまでも点眼薬は白内障の進行を遅らせるだけであって、完治する目的で処方されるものではありません。もちろん内服薬も同じです。ですから数年後症状がかなり進み、普段の生活において更に支障を来すようになったら、手術に踏み切る事が必要です。その時期、タイミングなどは眼科医の判断に従い、落ち着いて治療に専念するようにしましょう。
白内障は、高齢になってから発症する加齢白内障がもっとも多いのですが、中には40歳過ぎで、目のかすみやピンボケ、日光や明かりが極端に眩しく感じるなどの白内障特有の初期症状が、早くから現れる人もいます。
とりあえずは、メガネ、コンタクトレンズの矯正、サングラスの使用などの対処で補えるのですが、その段階で点眼薬治療を施し、水晶体の濁る進行を 遅らせる処置をとるのがベストと言えます。
いちばん恐いのは、白内障をそのまま放置していると水晶体が広がり、緑内障の要因となってしまうことです。そうならないためにも、初期症状が現れ出しとにかく目に異常を感じたら、まずは検査を受け白内障の進行を遅らせるように取り組むことが重要です。