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白内障の手術

白内障の患者さんは、点眼薬などによる薬物療法によって、病気の進行を遅らせる治療を行ないますが、日常生活において障害となるほどにまで病状が悪化進行した場合は、いよいよ白内障の手術を行なう決断をせねばなリません。


しかし、手術とは言っても至って簡単なものです。目の手術なので、多少の恐怖感は抱くかもしれませんが、局部麻酔をしてから行なうため、痛みも出血もほとんどなく、手術が失敗する確率もゼロに等しいので、心配する事はまったくありません。


白内障手術の大まかな手順は、水晶体の大きく広がり濁ってしまった部分を きれいに取り除き、そこへプラスチック製の眼内レンズともいえる「人工水晶体」を挿入するというものです。手術に要する時間は、たった1時間ほどで、その後は術後の経過を観察しながら、網膜に焦点を合わせるようメガネ、コンタクトレンズなどの補正をして、レンズのピント合わせを行ないます。


現在、もっとも多い白内障の手術方法は、超音波による乳化吸引術によるものが一般的とされています。この手術法は、角膜を僅かに端から切開して、水晶体の濁った部分の中心核を超音波により砕きながら吸引していき、クリーンな状態にしてから人工水晶体を挿入する方法です。


人工水晶体に使用する眼内レンズは、主にハードタイプのPMMAレンズと呼ばれるものが、もっともポピュラーで安全性も実証されていますが、近年では、シリコン製ソフトタイプのコンパクト折りたたみ式レンズも開発され、使用されています。


このように白内障の手術は、誰もが気軽に受けられるようになり、日帰り手術も可能なまでにその技術は進歩しました。しかし、術後数日間は入院をし、経過を見守るくらいの余裕を持つことも大切です。無理に日帰り手術をして、誰の付き添いもなく一人で帰宅し、すぐに普段の生活環境へ順応するのは大変なことです。


日帰り手術も入院手術も、入院費の違いを除けば手術そのものの内容は、まったく一緒ですので、手術前には医師や自分の周囲の人、家族などと相談し、入念に手術に向けての計画を立てることが大事です。