白内障術後の注意点
白内障の手術が終わった直後は目を細菌などから守るために、プラスチックなどでできている眼帯を装着しますが、手術当日でも歩行することは可能です。しかし、手術による傷口が完治するまでは、目に余計な刺激や圧力を与えることは絶対に禁物です。
疲れが出ない程度に本を読んだり、テレビを見たりするのはまったく問題ありませんが、主治医から許可が出るまでは、洗顔や入浴は控えるようにします。また無意識のうちに目をこすったりしないよう、十分に注意を払う事も必要です。
術後1週間もすれば、普段の生活を取り戻すことが出来るようになりますが、激しい運動などはしばらく行なってはいけません。職場への復帰は必ず主治医と相談し、許可をもらってからするようにしましょう。
白内障に限らず、目の手術を行なった場合いちばん恐いのが、感染症です。手術による傷口は、細菌類が侵入しやすい無防備状態なので、非常に感染症を引き起こす危険があります。術後は定期検診を行ない、主に抗菌薬や抗生物質の投与によって目の状態を観察していきますが、もし充血や痛みなどの症状を少しでも感じたら、すぐに診察を受けるよう心掛けてください。
定期検診は主治医の指定した日に、必ず行くようにしましょう。ほとんどの患者さんは、3ヶ月も経てば手術による傷口は完治しますので、ちょうどこのタイミングで、術後新しく生まれ変わった自分の目の環境に適した眼鏡をつくるのが良いでしょう。
また患者さんによっては、術後しばらくしてから再び視力が落ち、霞んで見えるなどの症状が起こる場合があります。これは、後発白内障と呼ばれる、手術の影響によって後嚢の部分が濁り、白内障が再発したと錯覚を起こしてしまう症状を言います。後嚢の濁りは外来によるレーザー治療で簡単にできるものです。ですから治療を受ければすぐに視力が回復するので、まったく心配する必要はいりません。