側用人から老中にまで昇進し商業政策を推し進めた人物は?
10代将軍の治世に老中に昇進して商業政策を推し進め、幕府の財政再建に取り組んだ人物の名前を答えてください。
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田沼意次(たぬまおきつぐ)です。
9代将軍家重の小姓であった田沼意次は、10代将軍家治の信任を得て側用人から老中に出世します。
幕府の財政を立て直すため、株仲間を公認して運上金、冥加金を徴収し、印旛沼・手賀沼の干拓など新田開発を積極的に行いました。
意次の時代、銅座、真鍮座、人参座などの「座」が設置され、幕府自ら専売を行い利益を上げようとしました。
また、海舶互市新例によって制限されていた長崎貿易の振興をはかる意次は、長崎俵物役所を設けて俵物の輸出拡大に努めました。俵物や銅で決済を行うことで、金銀の流出を防ぎながら貿易を拡大しようとしたのです。
商業政策を推進した結果、商人との結びつきが強くなり賄賂(わいろ)が横行し士風の廃退を招きました。そのため、意次は家治が死去すると失脚に追い込まれます。
田沼意次が行った政治を田沼政治もしくは田沼時代と呼んでいます。