菅原道真（すがわらのみちざね）です。630年に犬上御田鍬（いぬがみのみたすき）が派遣されて以降、日本の政治や制度、教育、文化の発展に大いに寄与した遣唐使ですが、平安時代になると唐国内で内乱が頻発し東アジアにおける唐の地位が低下します。唐の治安悪化に加え、遣唐使船の造船にかかる費用や、渡海の危険性なども考慮して遣唐使の派遣が中止されました。遣唐使の派遣停止を建議した人物が菅原道真です。道真自身が遣唐大使に任命されていましたが、上記の理由や道真を除こうとする藤原氏に対抗するために遣唐使派遣の停止を建議したものと推測されています。この時点で遣唐使が完全に廃止されたわけではなく、一時中止しただけですが、その後唐が滅び中国が動乱の時代に突入したため派遣が再開されることはありませんでした。