受領(ずりょう)、任用国司(にんようこくし)とは?
国司は時代が下ると、受領(ずりょう)と任用国司(にんようこくし)に分かれますが、その経緯を簡潔に説明してください。
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律令制では日本を66国2島に分け、国司を派遣して諸国を統治しました。国司には守(かみ)、介(すけ)、掾(じょう)、目(さかん)の四等官があり、長官が守です。
四人の幹部が連帯責任で国を統治していたのですが、9世紀中頃になると逃亡する農民の増加により班田制が崩壊します。税収の落ち込みにより財政が悪化した朝廷は、確実に徴税を行うため、ひとりの国司に権限を集中させて責任を負わせるようにしたのです。この権限が強化された国司が受領です。
一般的に受領は守が任命されますが、守が遥任国司(現地に赴任しない国司)の場合は介が受領となります。受領以外の国司(介、掾、目)は任用国司と呼ばれました。
権限が受領ひとりに集中したことで任用国司の存在は希薄なものとなり、やがて現地に赴任しなくなります。大きな力を持つようになった受領は、厳しい徴税を行い私財を蓄積していったのです。