989年百姓たちの訴えによって尾張国司(受領)を解任された人物は?
国司(受領)の圧政に苦しんだ尾張国の郡司、百姓たちは、朝廷に国司の罷免を訴えます。訴えられた国司と、このとき提出された訴状の名称を答えてください。
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藤原元命(ふじわらのもとなが)
尾張国郡司百姓等解文(おわりのくにぐんじひゃくしょうらげぶみ)です。
尾張国司に任命された藤原元命は、百姓に重い税を課し私腹をこやしていました。
郎党からの暴力や強制的に課される労働によって百姓は疲弊します。元命の圧政に耐えかねた尾張の郡司と百姓は、31ヵ条からなる嘆願書を朝廷に提出して、元命の罷免を訴えました。
下の身分の者が上の身分の者に提出する書類を「解」といい、このとき提出された嘆願書は「尾張国郡司百姓等解文」と呼ばれました。
訴状を受取った朝廷は、翌年(989年)藤原元命を解任しました。