執権(しっけん)と得宗(とくそう)の違いは?
執権(しっけん)と得宗(とくそう)は、ともに北条氏に関係しますが、両者の役割りや違いを答えてください。
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執権は将軍を補佐する役割で幕府の役職です。執権は代々北条氏が世襲しました。得宗は北条一門の嫡流(家督を継承する系統、人物)のことです。
初代執権北条時政から5代時頼までは北条一門の得宗が執権に就任したので、得宗=執権という関係になりますが、6代執権長時以降は得宗が執権にならないケースもでてきました。
北条氏は他の有力御家人を次々滅ぼし5代時頼の時代に宝治合戦で三浦氏を滅亡させたことにより、北条氏に対抗できる勢力がいなくなります。
執権や連署、評定衆、引付衆、侍所、政所、問注所、六波羅探題など幕府の要職を北条一門が占めるようになると、一門をまとめる得宗の発言力が増大します。
評定衆による合議制は形骸化し、将軍を補佐する執権の重要性が薄れたことで、得宗が執権に就任する必要性がなくなったのです。
得宗に権力が集中したことで、得宗と側近が幕府の政策を決定する得宗専制政治へと移行していきました。