1297年御家人を救済する目的で制定した法令は何でしょう?
元寇による戦費の負担や警固にかかる出費により困窮する御家人が増加したため、幕府は1297年に法令を発布して救済措置を行いました。これを何と呼んでいるでしょう?
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永仁の徳政令(えいにんのとくせいれい)です。
徳政令とは借金を帳消しにする法令です。
9代執権北条貞時(ほうじょうさだとき)は徳政令を発令して御家人の救済に乗り出しました。
内容は
1-御家人の所領は質入れや売買を禁止。
2-すでに質入れ、売却してしまった所領については、元の持ち主に返還する。ただし、御家人間の取引の場合、幕府が認めた取引や20年以上経過している取引に関しては、元の持ち主に返還する必要はない。
3-金銭に関する訴訟は受付けない。
生活に困窮した御家人が所領を質入れしたり、売却してしまった場合、相手が御家人以外であれば無償で取り戻すことができるという点がポイントです。
御家人の救済が目的の法令なので、相手が御家人の場合は一定の条件がつけられていますが、高利貸しなど御家人以外が相手の場合は、借りたお金を返済しなくても所領を取り戻すことができます。
ただし、経済的な混乱や損害を受けた者たちからの反発により、翌年になると1と3は撤回されました。
御家人の生活は一時的に楽になりますが、損失を受けた金融業者は御家人にお金を貸さなくなり、困窮する御家人が増える結果となりました。