明治政府の殖産興業、富国強兵政策により産業が飛躍的に発展を遂げた一方で、足尾鉱毒事件などの公害や、工場で働く労働者の劣悪な環境が大きな社会問題となりました。

1901年に日本で最初の社会主義政党である社会民主党が結成されると、1906年に結党した日本社会党は政府に容認され、日本最初の合法的社会主義政党となりました。

社会主義政党は公害被害者の支援や労働組合結成の促進など社会問題に取り組むことで一定の支持を集めますが、日本社会党では穏健派と過激派の内部対立が起こり過激派が優位を占めると、政府は治安警察法を適用し結社を禁じました。

日本社会党が1907年に分裂すると過激派の幸徳秋水らが天皇暗殺を企てたとして逮捕され死刑判決を受けます。（大逆事件）

政府は社会主義者、無政府主義者に対する取り締まりを強化したことで、社会運動は下火となりました。このように社会運動が不振になった時代を「冬の時代」という言葉で表しました。