広田弘毅（ひろたこうき）、広田弘毅内閣です。

二・二六事件の責任をとり岡田内閣が総辞職すると、元老の西園寺公望は岡田内閣の外相であった広田弘毅を首相に推薦しました。

広田は組閣すると、二・二六事件の後始末と軍部の粛清を実行しますが、「軍部大臣現役武官制」を復活させ、軍部の要求を受け入れた「国策の基準」を決定、「日独防共協定」の締結など、戦時体制を整えるための政策を実施しました。

広田内閣は閣内不一致で1年弱で退陣しますが、広田はその後も近衛内閣の外相など要職を務め政府の政策決定に関与します。

外交官出身の広田は戦争には反対していたとされますが、軍部に対抗するための有効な手段を打つことができず、その消極的な姿勢が結果として戦争の拡大を容認したと判断され、戦後の東京裁判で死刑判決を受け絞首刑となりました。