数字を利用した記憶術
「記憶術」と聞くと、訓練や練習が必要な難しいことのように感じるかもしれませんが、実は知らず知らずに行っている記憶術もあります。例えば、覚えたい数字を言葉や文章に当てはめる方法です。代表的なのが円周率や歴史の年号なので、学生時代にやったことがある人も多いでしょう。
いわゆる「語呂合わせ」で覚える記憶術で、数字の1は「い、いち、ひと」、2は「ふ、ふた」などの読み方をします。このようにして置き換えで覚える方法は、日本だけのものではありません。語呂合わせよりも少し専門的な「数字子音置換法(別名メジャー記憶術)」は、世界中で用いられています。
これは数字に子音を当てはめる方法なので、ヨーロッパなどの英語圏で主に用いられています。0=s,c,z、1=t,d,thというように9までの数字を使い、さらに母音も加えていきます。ただし日本においては、子音では使いにくいので、子音に該当する「あいうえお」を当てはめるように改良されました。つまり、「あ行」から「わ行」までの仮名を1から順番に当てはめて覚えるのです。この記憶術は「数字仮名置換法」と呼ばれています。
その他には、数字の形に似たものと、数字を結び付けて覚える「形態法」があります。例えば「1=煙突あるいは鉛筆、2=あひる、3=耳、4=ヨット」などが覚えやすいようです。数字や文字に置き換える記憶術の中には、少し難しいものもあります。しかし、やり方をマスターして慣れてくると応用も利くので、とても便利な記憶術です。