歯周病と心筋梗塞
歯周病菌は歯周病を起こすだけではなく、体内に入り込むことによってさまざまな疾患を起こす原因にもなってしまいます。お口の中を清潔にして健康な状態にすることは、身体全体の健康にもつながるということなのです。
歯周病が、心筋梗塞を引き起こす可能性があることをご存知でしょうか。心筋梗塞を起こした患者の中には、歯周病などのトラブルを抱えていることが多いことが分かっています。歯周病などのお口のトラブルを抱えている人が心筋梗塞を起こす確率というのは、歯周病などにかかっていない人の約3倍にも上るというのです。
歯周病の原因菌が心筋梗塞の病巣から発見されたという事例もあるようです。歯周病菌が血液の中に入り込むと血管を通って全身を巡ります。血管の壁に付着したりすることによって、血管を細くしたり血管と塞いでしまったりといった異常を引き起こす原因となってしまうのです。
また、高齢の方は特に注意が必要です。歯周病菌が原因となって起こる疾患にはいろいろありますが、歯周病菌が肺や気管に入りこむことによって肺炎や気管支炎の原因となるのです。
高齢者は、筋肉が衰えてしまうために食べ物を飲み込む時にうまく飲み込むことができないことがあります。そのため食道に入るはずだった唾液が器官の方へ入ってしまうのですが、その唾液の中に歯周病菌が混じっていると肺炎や気管支炎などを引き起こしてしまうのです。
寝たきりの方の場合には危険性が高くなるということなので、さらに注意を払う必要があります。お口のケアには十分に注意を払い、常に清潔な状態でいられるようにしなければいけません。