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平家物語

平家物語は鎌倉時代につくられた軍記物です。「祇園精舎の鐘の声」で始まる物語は平氏の栄枯盛衰を描き、現代でも読み語られている名作です。


平家物語の作者は不詳とされていますが、吉田兼好が記した三大随筆のひとつ「徒然草」の中に、平家物語の作者は信濃前司行長(しなののぜんじ ゆきなが)であり、盲目の僧である生仏(しょうぶつ)に聞かせ語り部にしたとされています。


平家物語は琵琶法師の弾き語りにより全国に広まるのですが、口述での伝承であるため、長い年月の間に内容に違いが生じてきました。


そこで、室町時代の琵琶法師である明石覚一が正しい内容を後世に伝えようと記したものが覚一本(かくいちぼん)です。全十二巻と灌頂巻で構成され、平家物語の基本書となっています。


重要文化財に指定されている高良大社所蔵の「平家物語」も覚一本です。