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長州藩士の給料 武士は食わねど高楊枝

江戸時代石高 一石は2.5俵
*お米の価値 石高

お米150g=1合、10合=1升、10升=1斗、10斗=1石なので、お米1石=150kg。米1俵は60kgなので 米2.5俵=1石


江戸時代一人が消費するお米の量は1日あたり5合だといわれています。1合は150gなので5合だと750gですね。


一人あたり一日750gのお米を消費するということは年間で273,750g(約273キロ)を消費することになります。


お米1石がおよそ150キロなので、273キロはおよそ1.82石になります。年間一人あたり約1.8石を消費した計算になります。


吉田松陰や文の実家杉家は、無給通り26石取りですから、およそ14人が食べていける量です。


もちろん生活していくには日用品を購入する必要がありますし、その他の出費もありますから、単純に14人が生活していけるという訳ではありません。


26石をお金に換算するとどのくらいになるでしょうか?


現在のお米の価格をもとに計算してみます(精米の前後、卸値、売値など細かい部分は無視します)


平成27年4月現在、楽天やアマゾンで販売されているお米10キロの価格を見てみると、送料込みで3000円から4000円の商品が多いですね。


10キロ3500円だとすると、1キロは350円になります。お米1石がおよそ150キロなので、26石は3900キロになります。350×3900=135万5千円


杉家の年収は135万5千円になります。
お米が10キロ4000円だとすると156万円
お米が10キロ3000円だとすると117万円になります。


杉家には多いとき10人を超える人が生計を共にしていました。また、勤勉な杉家の人たちは本をたくさん購入したそうですから、畑を耕していかなければ生活していくことができなかったのです。


物価や人件費が違うため、単純に現在と比べることはできませんが、生活は相当苦しかったと推測されます。まさに、武士は食わねど高楊枝です。


松陰が養子に入った吉田家は大組57石ですから、お米10キロ3500円計算だと年収はおよそ300万円


文の姉寿が嫁いだ小田村家は大組47石ですから年収はおよそ246万円


松陰門下生 高杉晋作の高杉家は大組200石ですから年収はおよそ1050万円になります。


寄組筆頭の堅田家は6000石ありますが、知行地を与えられている場合6000石が満額支給されるわけではありません。


6000石は知行地から得られるお米の収穫高であり、領主である堅田家と農民とで分配されます。


四公六民だとすると4割(2400石)が堅田家の収入ということになり、残りの6割(3600石)は農民の取り分です。