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亀之丞(井伊直親)と右近次郎(おこのじろう)の伝説

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父井伊直満が今川義元に誅殺されたことで命を狙われた亀之丞(井伊直親)は、南信濃の松源寺(しょうげんじ)を目指し逃走します。


今川義元から亀之丞の殺害を指示された小野政直(おのまさなお)は、弓の名人といわれた大平右近次郎(おいだいらおこのじろう)に亀之丞殺害を命じます。


亀之丞を発見した右近次郎は矢を放ちますが、矢は馬の鞍に当たり亀之丞は命拾いしました。


10年後、政直が死去したことで亀之丞は井伊谷に戻ってきますが、このとき右近次郎を見つけ出し成敗しました。


10年前の恨みをはらしたことになりますが、この話しにはもうひとつエピソードがあります。


実は右近次郎は亀之丞を殺すつもりはなく、わざと弓を外したのです。


政直の命令を断ることができない右近次郎は、亀之丞も馬も傷つかないよう鞍に当てたのだとされています。


そんな事情を知らない直親は右近次郎を殺害してしまったのです。


この伝説が真実かどうかは不明ですが、引佐町渋川には右近次郎のものとされる墓がいくつか残されています。